5万5000人を超える観衆を沸かせた回数は、近江の方が多かったかもしれない。それほど見る者をわくわくさせるサッカーだった。「一番やってきた強み。ぶれずにやろうと思った」と前線の山門。決勝でも攻撃的なスタイルを貫いた。 青森山田の激しいプレスを、いかにかいくぐるか―。出した答えはコートを小さくすることだった。自陣から狭いエリアで短くパスをつないで揺さぶり、前を向いたタイミングで一気に襲いかかる。それが裏目に出て高い位置で奪われ、先制を許しても、揺らぐことはなかった。一度は追い付く意地を見せた。 過…